遺品整理はご遺族のご家族が依頼されるとは限りません。
最近の社会問題にもなっているのが孤独死です。
孤独死と聞くと、身寄りのない可哀想な死、と思う人も多いのかもしれませんが、我々が依頼を受ける遺品整理の多くは孤独死されたケースです。

2021.12.15_8

一人暮らしされていて、急逝された場合、孤独死となります。
亡くなって発見されるまで数日かかる場合は多く、近所づきあいのない生活されていたりすると、1ヶ月以上経っていたということもあります。
高齢でなくても、一人暮らしで亡くなれば孤独死ということになりますが、職場に出勤してこないなどで、発見まで長い時間かかってしまうことはまれになります。
ただこれも、現在のコロナ渦で、リモートなどで生活様式が変わってきているので、若い人の孤独死というのも増えるのかもしれません。

我々に遺品整理をご依頼頂く場合は、高齢の方が多くなります。
ご家族が離れて暮らしていて、片付けに通えないなどの理由からなのですが、孤独死の場合、少し違っている事が多いです。
亡くなった方にお子さんがなく、親戚の方が引き受けるというケースです。
亡くなった方のご兄弟が存命でも高齢で、そのお子さんが対応することになったとか、兄弟もいなくて、おいやめい、孫に連絡がいったとか。
ご家族が居ても、生前から疎遠で、遺言執行人などが間に入って整理するというケースもあります。
核家族化だけでなく、そもそも家族が居ない、という方が増えてきていると思います。

私のおじやおばたちも、「子供達には葬式代くらいは残していかないと。」とか「墓は生きてるうちに用意しないと。」などと冗談で言ってますが、それだけでは済まないんだよと教えてあげました。
高齢の方に多いのは、「物を捨てるのはもったいないからできない」です。
もう何10年も着ていない服や、使わないのにしまいこんである客布団、決まったものしか使わないであろう食器、品薄になることはほぼないはずのトイレットペーパーやボックスティッシュの買い置き。
主の居なくなったお宅に、物が溢れた状態で残されていることがほとんどです。
生前、訪れた人が部屋の状態に驚いて、捨てるように言っても、言うことを聞いてもらえなかったという話しも良く聞きます。
加えて、今はゴミを簡単に捨てられません。
マンションなどの集合住宅だと、下まで行ってゴミを捨てるのもひと苦労ですし、ましてや大きかったり重かったりしたら捨てられなくなります。
ゴミ屋敷化してしまうのは、こういう背景もあるということです。